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第122回日本循環器学会
中国・四国合同地方会

The Japanese Circulation Society.

ごあいさつ

岡山 英樹

第122回日本循環器学会中国・四国合同地方会
会長:岡山 英樹

 この度、第122回日本循環器学会中国四国合同地方会を松山市で開催させていただくこととなりました。この様な機会を頂き、会員の皆様に心より感謝申し上げます。
 COVID-19のパンデミックは未来の歴史の教科書に記載されるであろう災厄となりましたが、ようやく曙光がさしてきました。2年半の間、私達の日常診療にも大きな影響が及びました。感染症に対峙しつつの救急対応、第〇波の度のベッドコントロール困難、救急制限による循環器救急患者の受け入れ困難、入院制限による侵襲的治療の延期などです。歴史的にパンデミックは多くのパラダイムシフトを引き起こしましたが、今回は半ば強制的にデジタルトランスフォーメーション(Dx)が定着しました。Dxは確かに便利ですが、もどかしさも感じていました。メタバースが発達してもやはりリアルに追いつくことはずっとずっと先で、対面の学術集会こそ化学反応の場と考えます。現在、少しずつ学術集会もコロナ前に戻ってきており、in personの有り難さを実感しています。
 また、パンデミックにより、良くも悪くも本邦の医療の脆弱な部分が明らかになりました。医療はサイエンスに基づくアートですが、同時に社会的側面が大きくポリティクスで解決すべきことが極めて多い。またそれはコミュニティごとにカスタマイズしなくてはならない。循環器対策基本法により施策からのアプローチが始まろうとしています。働き方改革は、特に心臓外科医と循環器内科医にとってはこれまでのパフォーマンスを維持しつつ長時間勤務を解消するという難題といえます。稀な症例、診断困難・治療困難であった症例の深掘りを皆で共有するという中国四国地方会の伝統を大切にしながら、サイエンスとアート以外のトピックについても熱く議論できることを祈念しております。余程のことがない限り対面のみの開催といたします。リアル初夏の松山を堪能していただければと思います。是非皆様のご支援、ご協力をお願い申し上げます。